カテゴリー「事業承継・富裕層コンサルティング」

  • 実質3.5年の海外移住で国外資産の贈与税が無税に

     我が国の相続税法によれば、贈与を受けた人と贈与をした人の「住所」が共に5年以上国外にあれば、この人たちの間の「国外財産」の贈与には、贈与税が課税されないことになっています。

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  • 任意組合を利用した実質的な損益通算

     任意組合の組合員の所得計算は総額方式を原則としながらも、継続適用を前提として中間方式又は純額方式によることも許容されています(所基通36・37共-20)。中間方式又は純額方式によると、引当金などの一定の適用を受けることができないことから、一般的には総額方式が有利とされています。

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  • 平成23年度税制改正であらためて注目される小規模宅地等の重要性!

     平成23年度の税制改正大綱が公表され、相続税は大増税となることが確実になりました。その中で最も増税額が大きいと試算される基礎控除額引き下げについてみてみましょう。

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  • スイスPBのフィデューシャリー預金(fiduciary deposit)と税金

     スイスは国内法で銀行預金の利子に35%の源泉税を課しており、日本との租税条約をもってしても限度税率10%を超える25%の還付請求しかできないはずですが、スイスのプライベートバンク(PB)で外貨預金しても、源泉税は課されません※1 。どうしてでしょうか?

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  • グループ法人課税制度と相続税株式評価

     平成22年度税制改正により、完全支配関係がある法人の間の取引に係る税制が整備され、いわゆる「グループ法人課税制度」が導入されることになりました。

     この新制度の各種規制のうち、多くの法人に大きな影響を及ぼす規制は次の二つです。

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  • 相続税の納税猶予を受けるための厳しい要件
    ~甥姪の結婚相手が所有する会社が要件を満たすかにも注意~

     非上場株式等に係る相続税の80%が納税猶予される要件の一つに、対象となる会社(=認定承継会社)の要件があります。その具体的な内容は、特例を受けようとする会社が、相続開始のときに、①経済産業大臣認定を受けた中小企業者であること(措法70の7の2②)、②その会社の株式が非上場株式等であること(措法70の7の2②一ハ)、③その会社が風俗営業会社でないこと(措法70の7の2②一ニ)等で、対象会社はこれらの要件をすべて満たす必要があります。

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  • 非上場株式等についての相続税の納税猶予を受けるための担保

     非上場株式を相続しまたは贈与を受けた場合に、その株式等に係る課税価格の80%または全部に対応する相続税または贈与税の納税が猶予されるという、新しい事業承継税制が始まっており、後継者への有利な事業の承継が可能になっています。

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  • 非公開会社株式の有価証券管理信託において議決権指図権者を委託者
    とした場合の会社法の取扱い

     非公開会社の事業承継の目的で、オーナー経営者から後継者に株式の生前贈与がおこなわれることがよくあります。この場合、オーナー経営者によっては、会社の支配権を手放さず、自社株式の財産部分のみを後継者に移転させたいと考える人もいます。

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  • 固定合意の相当な価額と贈与税の評価額が異なる場合の取扱い

     事業承継目的で後継者に生前贈与をする場合、相続紛争を防止するため、経営承継円滑化法に遺留分に係る「固定合意」の制度の活用が見込まれていますが、この合意価格については、「合意の時における価額(弁護士、弁護士法人、公認会計士(公認会計士法第16条の2第5項に規定する外国公認会計士を含む。)、監査法人、税理士又は税理士法人がその時における相当な価額として証明したものに限る。)」であることが必要とされています。

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  • 自社株式の生前贈与についても納税猶予制度が創設されます
    ~平成21年度税制改正大綱より~

    平成20年12月12日に自民党から平成21年度税制改正大綱が発表されました。
    事業承継税制関連では、平成20年度税制改正から引き続き検討されてきた「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度」とともに、「取引相場のない株式等に係る贈与税の納税猶予制度」が創設されたことにより、より柔軟な事業承継のプランニングが可能となりました。本稿では、「取引相場のない株式等に係る贈与税の納税猶予制度」の概要と事業承継実務での活用方法について検討します。

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  • 節税のため一時的に従業員に株式を売却した時の課税関係~ある契約が
    信託契約とされる場合のメルクマールは何か?

    相続対策のため、オーナー(甲)が持株会に自社株を売りたいが、持株会はまだ設立されておらず、その設立には時間がかかる。オーナーには残されている時間があまりない。そこで、一時的に会社の従業員(乙)に株式を売却し、同時に持株会設立を停止条件とした転売予約契約を結んでしまおう。

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  • 経営承継円滑法の事業承継税制適用のために生前にやっておくべきこと

    中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(以下「経営承継円滑化法」といいます。)が平成20年10月1日から施行されています。経営承継円滑化法に盛り込まれた事業承継税制の適用を受けるためには、原則として被相続人の生前に、下記要件のいずれにも該当することについて、経済産業大臣の確認を受けておく必要があります※1。具体的には、確認申請書に一定の書類を添付して全国9ヵ所にある地方経済産業局に提出します。

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  • 日本における議決権信託と事業承継

     議決権信託とは、議決権を統一的に行使するため株主が株式を一人の受託者に対し信託するものです。議決権信託は日本ではほとんどその例が見られませんが、アメリカでは①会社の支配権・経営権を確保するため、②会社の組織再編時に委託者による支配を維持するため、③少数株主に影響を与えるため、多く利用されています。

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  • 一般財団法人を家族財団として活用するスキームの相続税課税関係

    「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」が平成20年12月1日に施行され、公益性を有しない一般財団法人を設立することが可能になります。これによりヨーロッパの資産家が一族の財産承継目的のために活用している家族財団を日本においても設立することが可能となります。

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  • 持株会社はOK、不動産管理会社はNG ~自社株式の80%納税猶予特例対象会社~

    多くの中小企業の事業承継に影響を与える「経営承継円滑化法」が平成20年10月1日から施行されますが、その政省令が平成20年7月28日に明らかになりました。本省令案はパブリックコメントに付され一般からの意見が1ヶ月間公募されており、その後確定する見込です。

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  • 資本金等の額が多額の会社は株価算定に要注意

    平成18年10月27日付財産評価基本通達の一部改正により、類似業種比準価額の計算について、類似業種の株価及び各比準要素の数値は、従来の「資本金の額」ではなく、法人税法第2条第16 号に規定する「資本金等の額」により「1株当たりの資本金等の額を50 円とした場合の発行済株式数」を計算し、その株式数を基に算出することとされました。

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  • 受益者連続型信託の元本受益権の評価額はゼロ

     以前からの相続対策には、不動産等に信託を設定し、信託受益権を収益受益権と元本受益権とにわけ、収益受益権は生活保障のため配偶者等に承継させ、元本受益権は資産承継者としての子供に承継させる実務があります。

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  • 信託を利用した事業承継について~指図権の有効活用~

    1.後継ぎ遺贈型の受益者連続信託を利用した事業承継
     経営者の最後の仕事は事業承継です。

     その際、例えば、「兄の死亡後はともに事業を大きくしてきた弟に事業を承継させ、その間長男には経営者としての力をつけてもらい、弟の死亡後は長男に事業を承継させたい」といった要望がありうると思われますが、民法上、後継ぎ遺贈は一般に無効と解されていたため、弟が兄の子供ではなく自分の子供に事業を継がせてしまうことを阻止できず、実施に踏み切ることはなかなか困難でした。

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  • 相続税法上の「住所」の意義の変容~武富士事件東京高裁判決(H20.1.23)~

    「住所」の概念は所得税法上及び相続税法上のタックスプランニングを行う上で非常に重要な概念です(参照:UAPレポート「注目される非居住者認定と平成18年度税制改正による非永住者制度の改正」)。

    例えば、「贈与税が課税されない国に住所を移して贈与を実行する」という相続対策がありますが、このような対策に大きな影響を与える判決が、平成20年1月23日に東京高裁で出されました。

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  • 事業承継税制「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度の創設」

    平成20年1月11日に閣議決定されました平成20年度の税制改正要綱の備考に以下の記載がされております。
    『事業承継税制の抜本見直しについては中小企業の経営の承継の円滑化に関する法律(仮称)の制定を踏まえ、平成21年度税制改正において、事業の後継者を対象とした取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度を創設する。本制度は中小企業の経営の承継の円滑化に関する法律(仮称)施行日以後の相続等に遡って適用する。』

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  • 公募株式等証券投資信託の解約時の取り扱いが、譲渡時と同じになりました.~平成20年度税制改正より~

    現在、公募株式等証券投資信託については換金方法が2種類あり、これによって課税関係が異なることがあるため、投資家には分かりづらくなっています。
    1つ目の換金方法は買取です。これは、投資家が受益権を証券会社に譲渡し、譲渡代金を受取る方法です。
    2つ目の換金方法は解約です。これは、投資家が証券会社を通じて、契約を解約し価値を現金化する方法です。

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  • 事業承継を計画する中小企業の基本法になるか~「中小企業の事業の継続の円滑化に関する法律(仮称)」~

    平成20年度税制改正の大綱が公表され、待望の自社株80%特例(「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度」)が制定されることになりました。

    ここで注目されるのが、「中小企業の事業の継続の円滑化に関する法律(仮称)」(以下、「事業承継円滑化法」といいます。)です。

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  • 相続税が大きく変わる?~自民党税制改正大綱からみる相続税の今後~

    平成19年12月13日に自民党から平成20年度税制改正大綱が発表されました。その中で事業承継税制として、平成21年度の税制改正による「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度」の創設と共に“新しい事業承継税制の制度化にあわせて相続税の課税方式をいわゆる遺産取得課税方式に改めることを検討する。”と触れられています。

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  • 親族への土地の譲渡が相続税評価額で可能に?~平成19年8月23日判決より~

    1.親族等へ土地の譲渡は「時価」が原則

    親族等へ土地を譲渡する際には、相続税評価額ではなく時価によることとされています。これは、所謂負担付贈与通達により、「土地(中略)のうち、負担付贈与又は個人間の対価を伴う取引により取得したものの価額は、当該取得時における通常の取引価額に相当する金額によって評価する。」との定めがあり、時価を下回る価額で譲渡した場合において「実質的に贈与を受けたと認められる金額がある」とされたときは、当該価額は「著しく低い価額」(相続税法7,9)に当たるとされ通常の取引価額(時価)との差額を贈与により取得したとみなされるためです。

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  • 株価対策の配当時期に要注意~定時株主総会で配当決議しても直前事業年度の配当金額として取り扱われません~

    富裕層の資産保有会社は、巨額の純資産価額にかかわらず、利益は赤字基調のため、配当もしておらず、財産評価基本通達における株式評価上比準要素数1の会社(類似業種比準価額を25%しかミックスできない。)とされ、評価額が割高になっている場合が往々にしてあります。

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  • 「後継ぎ遺贈型の受益者連続信託」の代わりとして注目される「負担付遺贈」

    資産家の方に多い悩みに、「自分の財産を誰に承継させるかを自分で決めたい、できれば、次の次に承継する人まで決めておきたい。」ということがあります。

    例えば、①まずは長年連れ添った配偶者に財産1億を渡して生活の保障をし、配偶者が死んだ後は配偶者が費消した5千万を差し引いたその残り5千万を自立している長男にではなく病気がちの長女に渡したいという願いや、②自社株について次の事業承継者である長男に渡し、長男の後は優秀な次男の子供に引き継がせたいというものです。

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  • 相続税における信託課税の改正~平成19年度税制改正より

    平成18年12月に成立し、平成19年9月にも施行予定の改正信託法では新しい類型の信託制度が導入されており、相続においても信託の利用機会の増加が期待されます。そこで気になるのは新しい信託制度に対する課税関係です。

    これまで、信託に関する課税は、名目上の信託財産の所有者である受託者ではなく、実質上の所有者である受益者にその所得や利益が帰属するものとして課税をする受益者課税が原則とされてきました。

    ところが、新たに導入される信託制度では、単純に受益者に課税関係を帰属させるというやり方だけでは十分に課税がなされない恐れのある信託の設定が可能になりました。

    そこで、平成19年度の税制改正では、受益者課税の原則は維持しながらも、受益者課税だけでは課税しきれない信託制度については、所得税、法人税、相続税などの各種の税目を横断的に、かつ、一体的なものとして整備することにより租税回避を防止する措置をとっています。

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  • 自社株式80%評価減の衝撃

    平成19年6月29日に、中小企業庁が設立した事業承継協議会から、事業承継税制検討委員会中間報告が公表され、我が国の事業承継税制に大きな変革をもたらす制度の提案が行われました。

    すなわち、非上場株式の80%減免特例制度の創設です。

    現行税制では、事業用資産の特例措置として、小規模宅地の評価減制度(事業用宅地であれば原則として80%の評価減)と非上場自社株式の10%評価減制度があります。後者の非上場自社株式の評価減は、その評価減額の上限等の制限が厳しく、あまり活用されていませんでした。

    今回の中間報告では、非上場株式について広く80%の評価減を認めるよう提言されています。

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  • 適格合併等と相続開始前3年以内取得土地等の評価

    組織再編法制や同税制が整備されたため、非上場会社であっても、事業承継をはじめとする様々な目的のために合併や分割が利用されることが多くなってきています。
    これら合併等は適格合併等で行われることが通常ですが、その効果は、移転する資産が簿価で引継がれることです。

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  • オーナー社長が第三者株主から自社株を購入した場合にみなし贈与課税 ~実務への影響大きい平成19年1月31日東京地裁判決~

    オーナーが従業員などの同族関係者以外の個人から自社株を原則的評価額よりも相当程度低い価額で購入することは実務上よく行われています。当該取引が行われた場合には、条文を字面通り読むと相続税法第7条の対象となり、原則的評価額と譲渡価額との差額について、譲受者に贈与税が課税される理屈になります。ところが、同族間取引ならいざしらず、第三者間取引の場合には、相続税回避目的で取引が行われる場合などを除き、実務上は贈与税課税されない、というのが一般的な理解だったと思います。

    ところが、東京地方裁判所は平成19年1月31日、代表取締役でもある創業者オーナーが合計116名の同族関係にない第三者株主から自社株を原則的評価額の5.7%ないし21.8%で購入した事案で、原則的評価額と譲渡価額の差額を贈与により取得したものとみなして、贈与税の決定処分を認容しました。

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  • 低金利時代に注意すべき営業権の評価

    最近の税務トラブルとしてよく話題にのぼるのが、営業権の計上漏れを指摘されるということです。

    例えば、同族間の株式の売買において低額譲渡を認定されるケースや、企業グループ内や親子会社間で無償による営業譲渡を行う場合に寄附金や受贈益を認定されるケースです。

    営業権の評価は、一定の算式で計算した超過利益金額に基準年利率による複利年金原価率(10年)を乗じて求めますが、低金利である現在では、基準年利率が1.5%とされているため、ちょっとした優良会社なら計算上簡単に営業権が計上され、思わぬ課税が生じてしまうことがよく見られます。

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  • 議決権の価値はゼロ!?明らかになった種類株式の相続税評価と事業承継プランニングへの活用

    会社法の施行で多種多様の発行が認められ、その活用の幅が広がったといわれていた種類株式は、中小企業の事業承継対策においても注目されていました。2006年6月にとりまとめられた事業承継協議会の中間報告書においても、種類株式の相続税法上の評価方法が明確化されれば中小企業の事業承継での活用が期待できると提言されていたところです。

    このような状況の下、平成19年度与党税制改正大綱に記載された3類型の種類株式の相続税等の評価方法の取扱いについて、中小企業庁が国税庁に照会し、2007年3月16日に同庁が文書回答という形で種類株式の評価方法を明確化しました。

    中小企業の事業承継で活用が期待される典型的な種類株式として評価が明確になったのは、①配当優先の無議決権株式,②社債類似株式,③拒否権付株式の3類型の種類株式です。

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  • 注目される非居住者認定と平成18年度税制改正による非永住者制度の改正

    ここ数年、海外に生活の拠点を有するとして日本での税務申告を行わなかった納税者に対し、国税当局が申告漏れを指摘するケースが相次いで報道されています。
    また、課税優遇措置を受けることができる「非永住者」の定義が平成18年度税制改正において改正され、その範囲が見直されました。
    これらに共通するのは、高額納税者である個人が国際的な租税回避行為を行うのを防止しようとする動きであるということですが、今後ますます経済の国際化が進む中、軽視することができない論点となりそうです。

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  • 平成18年度以後に取引相場のない株式を相続等する場合の留意点

    国税庁は、平成18年7月7日付け「会社法の施行及び法人税法関係法令の改正に伴う取引相場のない株式の評価における経過的な算出方法等について(情報)」(以下「情報」という。)及び平成18年10月27日付け「財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)」(以下、財産評価基本通達を「評価通達」といい、この改正後の評価通達を特に「改正後評価通達」という。)により、会社法施行等の影響を受けた取引相場のない株式の評価について、平成18年度中の経過的な取り扱いと平成19年度以後の取り扱いを定めました。本稿では、それら取り扱いのうち、「剰余金の配当」を中心に実務に与える影響を考察します。

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  • 最高裁判決

    ~非上場株式純資産価額方式の42%控除の可否と実務~

    先の平成17年11月8日に、最高裁判所第三小法廷は、非上場株式の売買価格決定における純資産価額法の適用上法人税等相当額の控除(以下42%控除という。)を認める注目すべき判断を示しました。

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  • 非上場株式の時価評価と評価時点

    ~早く引き渡さないと評価額が変わる?!~

    非上場株式を法人間で売買する場合には、受贈益課税や寄付金課税を避けるために譲渡時の時価で取引を行うのが通常ですが、非上場株式はその名のとおり取引相場がありませんので、売買価格を決めるために時価を評価するという作業が必要になります。

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  • 同族個人間の不動産売買価額はどのように決めたら問題にならないか?

    ~相続税法第7条(資産の低額譲受け)「著しく低い価額」の判定で詳細な理由を列挙した裁決事例~

    親から子へ、祖父母から孫へと不動産を移転する場合には、無償またはできるだけ低い価額で引き継がせたいと考える方が多いのではないでしょうか?

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  • 取引相場のない株式を少数株主から配当還元価額で購入したオーナーについて一時所得を認定した事例(裁決事例集第66集155頁;平15.11.20裁決より)

    取引相場のない株式を売買するときにその価額をいくらにすればよいのか、これは会計・税務の実務家にとって判断に苦しむ問題の一つです。特に同族株主と同族株主以外の株主の間で売買される場合には売主の時価と買主の時価が異なることもあり一筋縄ではいきません。ただ現実的には、旧額面価額や配当還元価額程度で売買しても税務上トラブルになることは僅かであったといえます。しかし、このような同族間取引ではない場合において、その株式の純資産価額と実際の取引価額との差額を経済的利益として享受したものと認め、一時所得を認定した事例が国税不服審判所から公表されています。

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  • 任意組合方式による航空機リースに係る損益通算で納税者側勝訴(名古屋地裁)

    ~争点に対する裁判所の判断を分析しました~

    名古屋地裁は民法上の組合契約(以下「任意組合」という)方式による航空機リースに係る損益通算で納税者勝訴の判決を行いました(平成16年10月28日言渡)。この投資は、個人投資家が投資期間の前半に減価償却費から成る損失の分配を受けることで、損益通算による所得税節税を図ると共に、譲渡時には長期譲渡所得の低税率によることでトータルの納税額圧縮を図るものです。但し、航空機譲渡時の価格下落リスクや為替リスクを伴う投資であることから単純な節税商品でもなく、裁判所の判断が注目されていました(国税不服審判所では損益通算を否認)。

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  • リース事業への匿名組合出資は株価対策に有効か?

    ~匿名組合出資の相続税評価に明確な規定は無いのですが・・・~

    会社オーナーの方々の事業承継には、後継者への自社株移転をスムーズに行うための対策が必要です。自社株対策の大きな論点として、株価(自社株評価)の引き下げがあります。

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  • 航空機リース投資による株価引き下げ&生前贈与で否認事例が出ました!

    平成16年9月12日付朝日新聞(東海版)によると名古屋国税局は、匿名組合契約を利用した航空機リース事業への投資に係る損失を活用した法人課税所得繰り延べと株価引き下げに伴う自社株贈与を「法人所得を減らして株式の評価額を下げ、贈与税の圧縮を狙った租税回避にあたる」と認定して追徴課税したとのことです。

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