カテゴリー「信託」

  • 一般社団・財団法人の保有不動産を活用するビジネススキーム

     新公益法人制度の全面施行に伴い従来の公益法人は特例民法法人(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(以下「整備法」といいます。)41、42)となり、平成25年11月30日までに、公益社団・財団法人又は公益社団・財団法人以外の一般社団・財団法人(以下「一般法人」といいます」。)への移行申請につき行政庁から認定又は認可を受けることが必要となりました。

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  • 借地権と底地の同時信託と混同特例

    個人が所有する土地の上に同族法人が借地権者として建物を所有しているケースが往々にして見受けられます。このような土地を、底地権者である個人と借地権者である同族法人が、同一の受託者に信託した場合には、その賃貸借関係はどうなるのでしょうか。

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  • 譲渡禁止特約付債権の自己信託設定は可能か?

    自己信託の設定は、法律上の譲渡概念に該当せず、原則として譲渡禁止特約付債権の自己信託設定は可能と考えます。ただし、一般的に譲渡禁止特約においては譲渡のみならず、質入、担保権の設定、その他の処分行為も禁止されているところ、自己信託の設定は処分行為に他ならず、債務者の承諾を得る必要があると考えます。

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  • 「受益者等課税信託の受益者等である法人は、特定の長期所有土地等の
    所得の特別控除(措法65の5の2)の適用法人となるか」

     平成21年度の税制改正によって、特定の長期所有土地等の所得の特別控除の規定が創設されました。この規定は、法人が平成21年、22年に取得した国内の土地等につき、所有期間(取得日の翌日から譲渡年の1月1日までの期間)が5年超になってから譲渡した場合には、その譲渡益から1,000万円までを控除できるというものです。

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  • 元本受益権を生前贈与する相続税節税スキームの検証

     収益受益者と元本受益者が異なる信託(以下「受益権が複層化された信託」といいます。)について、収益受益権の評価は将来収益の現在価値合計額とされ、元本受益権の評価は信託財産評価額から収益受益権評価額を控除した金額とされています(評基通202)。したがって、受益権が複層化された信託の信託財産が高収益資産の場合には、元本受益権の評価は低くなります。ところがこの元本受益権は信託期間の経過に伴って価値が増加していき、信託期間満了時には改めて課税関係が発生することなく、元本受益者は信託財産の分配を受けることができます。そこで、この低い評価の元本受益権を信託設定時に子供等に生前贈与しておく対策が分離型信託受益権などと称され、相続税節税スキームとして喧伝されてきました。

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  • 非公開会社株式の有価証券管理信託において議決権指図権者を委託者
    とした場合の会社法の取扱い

     非公開会社の事業承継の目的で、オーナー経営者から後継者に株式の生前贈与がおこなわれることがよくあります。この場合、オーナー経営者によっては、会社の支配権を手放さず、自社株式の財産部分のみを後継者に移転させたいと考える人もいます。

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  • 受益者指定権を活用した世代飛ばし

    受益者指定権とは、信託行為においては特定の者を受益者に指定せず、事後的に一定の者の意思により受益者指定をさせるものをいいます(信託法89①)。この受益者指定権を有する者が、他に受益者が一人も存しない場合において、まだ指定権を行使していないときは、受益者が現に存しない状態となります※1

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  • 自己信託等が法人課税信託となる収益分配割合が変更可能である場合とは?

    「自己信託等で収益分配割合が変更可能である信託」は、法人課税信託に該当しますが、その要件は「その信託の効力が生じた時において当該法人又は当該法人の特殊関係者をその受託者と、当該法人の特殊関係者をその受益者とし、かつ、その時において当該特殊関係者に対する収益の分配の割合の変更が可能である場合として政令で定める場合に該当したこと」(法法2二十九のニハ(3))とされています。

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  • 節税のため一時的に従業員に株式を売却した時の課税関係~ある契約が
    信託契約とされる場合のメルクマールは何か?

    相続対策のため、オーナー(甲)が持株会に自社株を売りたいが、持株会はまだ設立されておらず、その設立には時間がかかる。オーナーには残されている時間があまりない。そこで、一時的に会社の従業員(乙)に株式を売却し、同時に持株会設立を停止条件とした転売予約契約を結んでしまおう。

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  • 受益者等の存しない信託で子供が生まれた場合の課税関係について

    信託法により将来生まれてくる人を受益者とする信託を設定することが可能となりました。このように受益者が不特定・不存在の信託は法人税法上受益者等の存しない信託とされ、信託設定時において受託者に対し受贈益につき法人税が課税されます。そして、受益者となる人が生まれてきた段階では、受益者等課税信託に移行し、受益者は信託財産を簿価で引継ぐことになるので受贈益課税は生じません。これは受託者にいわば代替的に課税を行っているものと考えられるからです。ただし、受益者等となる者が委託者の親族である場合には、次のような特別な取扱いがされます。

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  • 日本における議決権信託と事業承継

     議決権信託とは、議決権を統一的に行使するため株主が株式を一人の受託者に対し信託するものです。議決権信託は日本ではほとんどその例が見られませんが、アメリカでは①会社の支配権・経営権を確保するため、②会社の組織再編時に委託者による支配を維持するため、③少数株主に影響を与えるため、多く利用されています。

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  • 明細書の添付忘れですべてが水の泡?~信託損失の取り込み規制~

    平成17年度税制改正により、組合事業から生ずる損失を利用して節税を図る動き※1に対処するため、組合損失の損金算入制限の規定が設けられました(UAPレポート2004年12月21日号参照)が、平成19年度税制改正により受益者等課税信託から生ずる損失についても同規定の対象に含まれることになりました。

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  • 信託損失の発生が見込まれる場合は法人の方が個人よりも有利

    信託法の改正に伴い、平成19年度の税制改正において信託に係る損失が次のように取扱われることになっています。

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  • 複数の受益者のうち一部が不存在又は不特定である受益者等課税信託

    平成19年6月22日改正の法人税基本通達において、受益者等課税信託に関する通達として8つの通達が新設されました。その中の一つに「信託財産に属する資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用の帰属」(法基通14-4-1)があります。

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  • 収益受益者と元本受益者が異なる信託の取扱い

    平成19年度税制改正により信託税制が整備されましたが、法人税法上受益者等課税信託については、信託収益の発生時に受益者等に課税することとされました。そして、受益者等が信託財産に属する資産及び負債を有するものとみなして、信託財産に帰せられる収益及び費用は受益者等の収益及び費用とみなして、法人税の規定を適用することが明確になりました。

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  • 受益者連続型信託の元本受益権の評価額はゼロ

     以前からの相続対策には、不動産等に信託を設定し、信託受益権を収益受益権と元本受益権とにわけ、収益受益権は生活保障のため配偶者等に承継させ、元本受益権は資産承継者としての子供に承継させる実務があります。

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  • 信託を利用した事業承継について~指図権の有効活用~

    1.後継ぎ遺贈型の受益者連続信託を利用した事業承継
     経営者の最後の仕事は事業承継です。

     その際、例えば、「兄の死亡後はともに事業を大きくしてきた弟に事業を承継させ、その間長男には経営者としての力をつけてもらい、弟の死亡後は長男に事業を承継させたい」といった要望がありうると思われますが、民法上、後継ぎ遺贈は一般に無効と解されていたため、弟が兄の子供ではなく自分の子供に事業を継がせてしまうことを阻止できず、実施に踏み切ることはなかなか困難でした。

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  • 信託受益者が複数ある場合の譲渡損益計上について

    新しい信託法が2007年9月30日に施行され、実務上の利用機会も増えてきています。税制は平成19年度税制改正で整備されたとされていますが、実際に利用してみると様々な疑問が出てきます。今回は信託受益者が複数ある場合の譲渡損益計上の論点について検討してみます。

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