2010年5月26日

スイスPBのフィデューシャリー預金(fiduciary deposit)と税金

 スイスは国内法で銀行預金の利子に35%の源泉税を課しており、日本との租税条約をもってしても限度税率10%を超える25%の還付請求しかできないはずですが、スイスのプライベートバンク(PB)で外貨預金しても、源泉税は課されません※1 。どうしてでしょうか?

 これは、スイスのPBが、資金を信託財産として受け入れ、インターバンク市場で他の銀行に貸付けるというフィデューシャリー預金(fiduciary deposit)という仕組みをとっているためです。スイスのPBは、信託受託者として信託預金の管理を行うだけで、利子支払の債務者ではないため、スイスでは源泉徴収義務が発生しません。

 フィデューシャリー預金(fiduciary deposit)は、インターバンク市場で信用力の高い銀行に、高い利回りで貸し付けることができるという魅力がありますが、普通の預金とは違ってPBの管理手数料が発生しますので、低金利の通貨で預金する場合には、コスト倒れとなる可能性もあります。

 日本の感覚ですと、「なぜ預金して手数料とられるの?」と思ってしまいますが、そもそも仕組みが違います。内容、税制をよく理解した上で、うまく活用したいものです。

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※1  日本では原則として利子所得として総合課税されますが(所法23)、日本における支払取扱者を経由すれば20%源泉分離課税の対象になるものと考えられます。

2010年5月26日 (担当:平野和俊)

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