カテゴリー「税制改正」

  • やっと決まった平成23年度税制改正の内容

     平成23年度税制改正が平成23年6月22日にようやく成立しました。法人税率引下げや相続税増税などの税制抜本改革に関するものは、今回は見送られるとされていますが、よくよく内容を見てみると、政治家の関心が薄そうな増税項目はしっかり残されています。ようやく決まった「本当の」平成23年度税制改正の主な項目は以下のとおりです。

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  • グループ法人課税制度と相続税株式評価

     平成22年度税制改正により、完全支配関係がある法人の間の取引に係る税制が整備され、いわゆる「グループ法人課税制度」が導入されることになりました。

     この新制度の各種規制のうち、多くの法人に大きな影響を及ぼす規制は次の二つです。

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  • 相続税が大きく変わる?~自民党税制改正大綱からみる相続税の今後~

    平成19年12月13日に自民党から平成20年度税制改正大綱が発表されました。その中で事業承継税制として、平成21年度の税制改正による「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度」の創設と共に“新しい事業承継税制の制度化にあわせて相続税の課税方式をいわゆる遺産取得課税方式に改めることを検討する。”と触れられています。

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  • GCAの「三角株式移転」を用いた経営統合

    東証マザーズ上場のM&AアドバイザリーファームであるGCAホールディングス株式会社(以下「GCAH社」といいます。)は、去る平成19年11月1日、「三角株式移転」を用いて米国カリフォルニア州に本社のあるSavvian,LLC.(以下「Savvian LLC」といいます。)との間で経営統合をすることを同社の取締役会で決定したことを発表しました。

    Savvian LLCはGCAH社と同様にM&Aのアドバイザリー業務を行う独立系投資銀行で、GCAH社はこの経営統合により、クロスボーダーM&Aの取り扱い件数を増加できる体制を整え、海外案件の比率を高めていくことを目指すとしています。

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  • 親会社株式の取得に係る課税関係が三角合併の障害に

    平成19年5月1日から解禁された三角合併は、もっぱら外国企業である親会社の株式を対価として国内企業を買収する場合に用いられることが想定されている制度ですが、国内企業が三角合併を活用するメリットも存在します。

    代表的な活用場面は、国内親会社Aが適格分社型分割によって創設された100%子会社Bにグループ外会社であるC社を吸収合併させる場合で、今後も組織再編等が予想される企業グループが利用するケースです。

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  • 不動産流動化に特定受益証券発行信託を利用することで消費税が有利に?

    平成19年9月30日に施行される改正信託法では新たな信託として受益証券発行信託が定められました。これまで、貸付信託、投資信託及び特定目的信託に限られていた受益権の証券化が一般に認められるようになっています。

    受益証券発行信託の中でも税務上一定の要件に該当する者を受託者とし、過度な繰延べが生じない信託として一定の信託を「特定受益証券発行信託」としていますが、この「特定受益証券発行信託」を不動産の流動化スキームに応用した場合に、消費税が有利になるケースがありそうです。

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  • 「後継ぎ遺贈型の受益者連続信託」の代わりとして注目される「負担付遺贈」

    資産家の方に多い悩みに、「自分の財産を誰に承継させるかを自分で決めたい、できれば、次の次に承継する人まで決めておきたい。」ということがあります。

    例えば、①まずは長年連れ添った配偶者に財産1億を渡して生活の保障をし、配偶者が死んだ後は配偶者が費消した5千万を差し引いたその残り5千万を自立している長男にではなく病気がちの長女に渡したいという願いや、②自社株について次の事業承継者である長男に渡し、長男の後は優秀な次男の子供に引き継がせたいというものです。

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  • 相続税における信託課税の改正~平成19年度税制改正より

    平成18年12月に成立し、平成19年9月にも施行予定の改正信託法では新しい類型の信託制度が導入されており、相続においても信託の利用機会の増加が期待されます。そこで気になるのは新しい信託制度に対する課税関係です。

    これまで、信託に関する課税は、名目上の信託財産の所有者である受託者ではなく、実質上の所有者である受益者にその所得や利益が帰属するものとして課税をする受益者課税が原則とされてきました。

    ところが、新たに導入される信託制度では、単純に受益者に課税関係を帰属させるというやり方だけでは十分に課税がなされない恐れのある信託の設定が可能になりました。

    そこで、平成19年度の税制改正では、受益者課税の原則は維持しながらも、受益者課税だけでは課税しきれない信託制度については、所得税、法人税、相続税などの各種の税目を横断的に、かつ、一体的なものとして整備することにより租税回避を防止する措置をとっています。

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  • 平成19年度税制改正を受けて減価償却に関する当面の監査上の取扱いが公表されました

    既報の通り、平成19年度税制改正において減価償却費の損金算入限度額の規定が大幅に改正されました(UAPレポート:2月22日)。この改正を受けて、平成19年4月25日、日本公認会計士協会から「監査・保証実務委員会報告第81号 減価償却に関する当面の監査上の取扱い(以下、「本件報告」という。)」が、減価償却項目に関連する今後の会計処理の監査についての新たな実務指針として公表されました。

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  • 議決権の価値はゼロ!?明らかになった種類株式の相続税評価と事業承継プランニングへの活用

    会社法の施行で多種多様の発行が認められ、その活用の幅が広がったといわれていた種類株式は、中小企業の事業承継対策においても注目されていました。2006年6月にとりまとめられた事業承継協議会の中間報告書においても、種類株式の相続税法上の評価方法が明確化されれば中小企業の事業承継での活用が期待できると提言されていたところです。

    このような状況の下、平成19年度与党税制改正大綱に記載された3類型の種類株式の相続税等の評価方法の取扱いについて、中小企業庁が国税庁に照会し、2007年3月16日に同庁が文書回答という形で種類株式の評価方法を明確化しました。

    中小企業の事業承継で活用が期待される典型的な種類株式として評価が明確になったのは、①配当優先の無議決権株式,②社債類似株式,③拒否権付株式の3類型の種類株式です。

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  • 不動産流動化・証券化による利益分配額の減少が見込まれます!~平成19年度税制改正「減価償却制度の改正」より

    平成19年の税制改正において、減価償却制度の改正が行われることとなりました。これは、減価償却制度について欧米等主要国との制度格差を無くすことによる国際的競争力の強化及び減価償却費の増加に伴い投下資本をより早期に回収できることとなったことによる新規設備取得への投資等を期待するものです。

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  • 信託法の改正に伴い信託税制が改正されました~平成19年度税制改正より

    平成18年12月8日、第165回臨時国会において「改正信託法」が成立し、同15日に公布されました。この「改正信託法」では、多様な信託の利用形態に対応するために新たな信託制度を導入することがその改正の目的の一つとされています。平成19年度税制改正大綱では、この新しい信託制度に対応するための税制を整備する旨が記載されています。

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  • リース会計基準の変更が不動産実務に与える影響

    平成18年12月に企業会計基準機構から「リース取引に関する会計基準(案)」が公表され、リース取引に係る会計処理の取扱いが変更されることが明らかになりました。

    さらに、平成19年度の税制改正で、税務においても所有権移転外ファイナンス・リース取引につき原則として会計処理と一致する取扱いになることが明らかになりました。すなわち、借り手のリースの簡便性を維持するために、変更後リース会計基準と同一の税制上の処理が認められます。今後、リース取引に関する税務と会計の処理は原則として一致することになります。

    ただし、税務が会計と全く一致するかどうか、既存の税務上の取扱いがどのように変更するかなどの詳細は明らかになっておらず、今後の法令・通達等の改正を待津必要があります。

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  • M&Aにおける退職債務の引き継ぎと「のれん」の計上

    ある会社をM&A(非適格合併)した場合、現行税制では、合併法人は資産・負債を時価で購入する処理を行うことになっています。このとき、被合併法人に退職給付引当金等の退職債務がある場合には、合併法人は税務上退職給与引当金を引き継ぐことができません。

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  • DES(デット・エクイティ・スワップ)に係る債務消滅益は課税対象に

    DESを行った場合の債権者側の課税関係は法人税基本通達2-3-14により明らかでしたが、債務者側の課税関係を明示した法令・通達等はありませんでした。国税OBも含めて識者によると専ら「資本等取引なので債務消滅益課税はない」と説明され、当局の事前相談窓口でも一定の条件のもとに券面額説に基づく債務消滅益を認識しない処理が認められていました。

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  • 組合損失の損金算入制限の取扱いが明らかになりました

    ~ノンリコースローンの割合や損失補てん契約による補てんの程度等で判定~

    平成17年度税制改正により、民法組合等を利用した組合事業損失の損益通算(損金算入)に制限措置が設けられることになりました(UAPレポート Vol.4;措法41の4の2、67の12)。法人については、「(1)組合事業につきその債務を弁済する責任の限度が実質的に組合財産の価額とされている場合」には、当該組合損失のうち出資額を超える部分の金額が、及び「(2)当該組合事業が実質的に欠損とならないと見込まれる場合」には、当該組合事業による損失の額の全額が損金不算入となったわけですが、どのような内容の組合契約が上記に該当する契約となるのか具体的に明らかにされました(措規22の18の2)。

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  • 定期借地権の賃料を前払いしたときの取扱いが明確化

    ~定期借地権が使いやすいものになるというのは本当でしょうか?~

    国税庁は平成17年1月7日付で「定期借地権の賃料の一部又は全部を前払いとして一括して授受した場合における税務上の取扱いについて」を公表しました。国土交通省からの事前照会に対する文書回答です。これによると、定期借地権設定時に賃料の全部又は一部を一括前払いした場合において、契約書に前払賃料として取り扱われる旨が明確にされているときは、下記の通り取り扱うこととされています。

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  • 特定口座で貸株ができるようになります

    自由民主党「平成17年度税制改正大綱」より抜粋

    特定口座内保管上場株式等を特定口座の開設をしている証券業者に貸し付けた場合において、当該貸付期間後に返還される当該特定口座内保管上場株式等と同一銘柄の上場株式等を、一定の要件の下で、当該特定口座に、当該貸付けをした際に当該特定口座において管理されていた取得価額で受け入れることができることとする。

    (注)上記の改正は、平成17年4月1日以後に貸し付ける特定口座内保管上場株式等について適用する。

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  • 平成17年度税制改正大綱概要

    12月15日、自民・公明の与党2党は平成17年度税制改正大綱を発表いたしました。景気回復・雇用情勢の改善・個人消費の増加が着実に進んでいるとの見方から、「あるべき税制」の具体化に向けて個人所得課税の抜本的見直しに主力を置いた内容となっています。

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  • 金融・証券税制改正の詳細

    1.タンス株の特定口座への預入制度の見直し
    自宅や銀行の貸金庫にある株券(いわゆる「タンス株」)を特定口座へ預入れた場合のその株式の取得価額は、実際の取得価額、名義書き換えの時の株価、平成13年10月1日の終値の80%(みなし取得価額)のいずれかを選択することができました(措令附則(平成14年)14条の3、(平成16年)10条)。現行法ではタンス株券の特定口座への預入れができるのは平成16年12月31日までとされておりますが、今回の改正により平成17年4月1日から再開されることとなりました。ただし、その場合の取得価額については、みなし取得価額の規定の適用はなく、実際の取得価額によることになります。

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  • 民法組合等を利用した組合事業損失の損益通算(損金算入)の制限

    自由民主党「平成17年度税制改正大綱」より抜粋

    <法人組合員に係る規定>
    民法組合、匿名組合等の法人会員(組合に係る重要な業務の執行の決定に関与し、契約を締結するための交渉等自らその執行を行う法人組合員等を除く)の組合損失について、次のように取り扱う。

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  • 非居住者・外国法人に係る不動産化体株式の譲渡益課税

    自由民主党「平成17年度税制改正大綱」より

    非居住者・外国法人が、国内にある不動産(土地等、建物その他一定の資産)を主たる資産(総資産の50%以上)とする法人の発行する株式等(一定の株式等を除く)又は国内にある不動産を主たる信託財産(信託財産の価額の総額の50%以上)とする特定信託の受益権(一定の受益権を除く)の譲渡によって得る所得を、申告納税の対象となる国内源泉所得の範囲に加える。

    (注)上記の改正は、非居住者は平成18年分以後の所得税について、外国法人は平成17年4月1日以後に開始する事業年度の法人税について適用する。

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