2008年のUAPレポート
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2008年12月25日発行
先行取得土地に係る特例創設で買換え実務はどう変わるか
~平成21年度税制改正大綱より~平成21年12月12日に自民党から平成21年度税制改正大綱が発表されました。土地税制について大きな改正はないと予想されていましたが、発表直前になって「1,000万円特別控除制度創設」と「先行取得土地に係る特例創設」が土地取引の活性化策として浮上し、大綱に盛り込まれました。
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2008年12月25日発行
自己信託等が法人課税信託となる収益分配割合が変更可能である場合とは?
「自己信託等で収益分配割合が変更可能である信託」は、法人課税信託に該当しますが、その要件は「その信託の効力が生じた時において当該法人又は当該法人の特殊関係者をその受託者と、当該法人の特殊関係者をその受益者とし、かつ、その時において当該特殊関係者に対する収益の分配の割合の変更が可能である場合として政令で定める場合に該当したこと」(法法2二十九のニハ(3))とされています。
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2008年11月27日発行
節税のため一時的に従業員に株式を売却した時の課税関係~ある契約が
信託契約とされる場合のメルクマールは何か?相続対策のため、オーナー(甲)が持株会に自社株を売りたいが、持株会はまだ設立されておらず、その設立には時間がかかる。オーナーには残されている時間があまりない。そこで、一時的に会社の従業員(乙)に株式を売却し、同時に持株会設立を停止条件とした転売予約契約を結んでしまおう。
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2008年11月27日発行
受益者等の存しない信託で子供が生まれた場合の課税関係について
信託法により将来生まれてくる人を受益者とする信託を設定することが可能となりました。このように受益者が不特定・不存在の信託は法人税法上受益者等の存しない信託とされ、信託設定時において受託者に対し受贈益につき法人税が課税されます。そして、受益者となる人が生まれてきた段階では、受益者等課税信託に移行し、受益者は信託財産を簿価で引継ぐことになるので受贈益課税は生じません。これは受託者にいわば代替的に課税を行っているものと考えられるからです。ただし、受益者等となる者が委託者の親族である場合には、次のような特別な取扱いがされます。
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2008年10月30日発行
経営承継円滑法の事業承継税制適用のために生前にやっておくべきこと
中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(以下「経営承継円滑化法」といいます。)が平成20年10月1日から施行されています。経営承継円滑化法に盛り込まれた事業承継税制の適用を受けるためには、原則として被相続人の生前に、下記要件のいずれにも該当することについて、経済産業大臣の確認を受けておく必要があります※1。具体的には、確認申請書に一定の書類を添付して全国9ヵ所にある地方経済産業局に提出します。
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2008年10月30日発行
一般社団法人法施行に伴う既存の中間法人および合同会社に必要な変更登記手続き等
平成20年12月1日に一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下、「一般社団法人法」という)が施行され、中間法人法が廃止されます。既存の有限責任中間法人については、一般社団法人法の施行日に、何らの手続を要せずに、当然に、一般社団法人となり、一般社団法人法の適用を受けることになりますが、不動産流動化で多く利用されてきた有限責任中間法人および合同会社について、下記のような変更登記等必要な手続きが発生します。
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2008年9月30日発行
日本における議決権信託と事業承継
議決権信託とは、議決権を統一的に行使するため株主が株式を一人の受託者に対し信託するものです。議決権信託は日本ではほとんどその例が見られませんが、アメリカでは①会社の支配権・経営権を確保するため、②会社の組織再編時に委託者による支配を維持するため、③少数株主に影響を与えるため、多く利用されています。
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2008年9月30日発行
明細書の添付忘れですべてが水の泡?~信託損失の取り込み規制~
平成17年度税制改正により、組合事業から生ずる損失を利用して節税を図る動き※1に対処するため、組合損失の損金算入制限の規定が設けられました(UAPレポート2004年12月21日号参照)が、平成19年度税制改正により受益者等課税信託から生ずる損失についても同規定の対象に含まれることになりました。
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2008年8月28日発行
一般財団法人を家族財団として活用するスキームの相続税課税関係
「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」が平成20年12月1日に施行され、公益性を有しない一般財団法人を設立することが可能になります。これによりヨーロッパの資産家が一族の財産承継目的のために活用している家族財団を日本においても設立することが可能となります。
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2008年8月28日発行
信託損失の発生が見込まれる場合は法人の方が個人よりも有利
信託法の改正に伴い、平成19年度の税制改正において信託に係る損失が次のように取扱われることになっています。
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2008年7月30日発行
持株会社はOK、不動産管理会社はNG ~自社株式の80%納税猶予特例対象会社~
多くの中小企業の事業承継に影響を与える「経営承継円滑化法」が平成20年10月1日から施行されますが、その政省令が平成20年7月28日に明らかになりました。本省令案はパブリックコメントに付され一般からの意見が1ヶ月間公募されており、その後確定する見込です。
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2008年7月30日発行
複数の受益者のうち一部が不存在又は不特定である受益者等課税信託
平成19年6月22日改正の法人税基本通達において、受益者等課税信託に関する通達として8つの通達が新設されました。その中の一つに「信託財産に属する資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用の帰属」(法基通14-4-1)があります。
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2008年6月30日発行
資本金等の額が多額の会社は株価算定に要注意
平成18年10月27日付財産評価基本通達の一部改正により、類似業種比準価額の計算について、類似業種の株価及び各比準要素の数値は、従来の「資本金の額」ではなく、法人税法第2条第16 号に規定する「資本金等の額」により「1株当たりの資本金等の額を50 円とした場合の発行済株式数」を計算し、その株式数を基に算出することとされました。
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2008年6月30日発行
収益受益者と元本受益者が異なる信託の取扱い
平成19年度税制改正により信託税制が整備されましたが、法人税法上受益者等課税信託については、信託収益の発生時に受益者等に課税することとされました。そして、受益者等が信託財産に属する資産及び負債を有するものとみなして、信託財産に帰せられる収益及び費用は受益者等の収益及び費用とみなして、法人税の規定を適用することが明確になりました。
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2008年5月28日発行
受益者連続型信託の元本受益権の評価額はゼロ
以前からの相続対策には、不動産等に信託を設定し、信託受益権を収益受益権と元本受益権とにわけ、収益受益権は生活保障のため配偶者等に承継させ、元本受益権は資産承継者としての子供に承継させる実務があります。
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2008年5月28日発行
信託を利用した事業承継について~指図権の有効活用~
1.後継ぎ遺贈型の受益者連続信託を利用した事業承継
経営者の最後の仕事は事業承継です。その際、例えば、「兄の死亡後はともに事業を大きくしてきた弟に事業を承継させ、その間長男には経営者としての力をつけてもらい、弟の死亡後は長男に事業を承継させたい」といった要望がありうると思われますが、民法上、後継ぎ遺贈は一般に無効と解されていたため、弟が兄の子供ではなく自分の子供に事業を継がせてしまうことを阻止できず、実施に踏み切ることはなかなか困難でした。
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2008年4月30日発行
信託受益者が複数ある場合の譲渡損益計上について
新しい信託法が2007年9月30日に施行され、実務上の利用機会も増えてきています。税制は平成19年度税制改正で整備されたとされていますが、実際に利用してみると様々な疑問が出てきます。今回は信託受益者が複数ある場合の譲渡損益計上の論点について検討してみます。
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2008年4月30日発行
特定目的会社等における外国税額控除の取扱い変更について ~平成20年度税制改正より~
平成20年度税制改正では、「特定目的会社に係る課税の特例等について、特定目的会社等が納付した外国法人税の額は、現行の外国税額控除に代えて、特定目的会社の利益の配当等に対する所得税の額から控除すること」とし、「その控除限度額は、当該所得税の額とする。」(平成20年度税制改正の要綱:平成20年1月11日閣議決定)となりました。この改正は「平成20年4月1日以後に開始する事業年度に係る利益の配当等に対する所得税の額について適用」されます。
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2008年3月27日発行
相続税法上の「住所」の意義の変容~武富士事件東京高裁判決(H20.1.23)~
「住所」の概念は所得税法上及び相続税法上のタックスプランニングを行う上で非常に重要な概念です(参照:UAPレポート「注目される非居住者認定と平成18年度税制改正による非永住者制度の改正」)。
例えば、「贈与税が課税されない国に住所を移して贈与を実行する」という相続対策がありますが、このような対策に大きな影響を与える判決が、平成20年1月23日に東京高裁で出されました。
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2008年3月27日発行
事業承継税制「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度の創設」
平成20年1月11日に閣議決定されました平成20年度の税制改正要綱の備考に以下の記載がされております。
『事業承継税制の抜本見直しについては中小企業の経営の承継の円滑化に関する法律(仮称)の制定を踏まえ、平成21年度税制改正において、事業の後継者を対象とした取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度を創設する。本制度は中小企業の経営の承継の円滑化に関する法律(仮称)施行日以後の相続等に遡って適用する。』 -
2008年2月25日発行
公募株式等証券投資信託の解約時の取り扱いが、譲渡時と同じになりました.~平成20年度税制改正より~
現在、公募株式等証券投資信託については換金方法が2種類あり、これによって課税関係が異なることがあるため、投資家には分かりづらくなっています。
1つ目の換金方法は買取です。これは、投資家が受益権を証券会社に譲渡し、譲渡代金を受取る方法です。
2つ目の換金方法は解約です。これは、投資家が証券会社を通じて、契約を解約し価値を現金化する方法です。
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2008年2月25日発行
特定目的会社に係る平成20年度税制改正
自由民主党が平成19年12月13日付にて公表した平成20年度税制改正大綱によると、特定目的会社について下記の改正を行うこととされています。
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2008年1月29日発行
事業承継を計画する中小企業の基本法になるか~「中小企業の事業の継続の円滑化に関する法律(仮称)」~
平成20年度税制改正の大綱が公表され、待望の自社株80%特例(「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度」)が制定されることになりました。
ここで注目されるのが、「中小企業の事業の継続の円滑化に関する法律(仮称)」(以下、「事業承継円滑化法」といいます。)です。
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2008年1月29日発行
相続税が大きく変わる?~自民党税制改正大綱からみる相続税の今後~
平成19年12月13日に自民党から平成20年度税制改正大綱が発表されました。その中で事業承継税制として、平成21年度の税制改正による「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度」の創設と共に“新しい事業承継税制の制度化にあわせて相続税の課税方式をいわゆる遺産取得課税方式に改めることを検討する。”と触れられています。
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