2005年のUAPレポート
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2005年11月16日発行
有限責任事業組合(日本版LLP)の会計の概要
平成17年5月6日に公布された「有限責任事業組合契約に関する法律」(LLP法)が平成17年8月1日から施行されました。LLPの会計についてもこの法律及び「有限責任事業組合に関する法律施行規則」により規定されています。
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2005年11月16日発行
有限責任事業組合契約(日本版LLP)の税務の概要
日本版LLPとして期待されていた有限責任事業組合契約に関する法律が本年5月6日に公布され、8月1日から施行されています。
共同事業者である組合員全員が有限責任でありながら、組合(事業体)の段階では課税されず、各組合員に直接課税される構成員課税(パス・スルー課税)の適用を受けるため、今後多くの事業で利用されていくことが予想されています。
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2005年11月16日発行
新会社法施行で有限会社の代わりに使われる不動産流動化ヴィークルは何か
自民党の法務部商法小委員会によると会社法の施行日が平成18年5月を目途とされており、いよいよ会社法に対する備えを本格的にすべき時期になってきました。平成18年5月以降の不動産流動化はどのようなSPVを活用することになるのでしょうか。
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2005年11月16日発行
最高裁判決
~非上場株式純資産価額方式の42%控除の可否と実務~
先の平成17年11月8日に、最高裁判所第三小法廷は、非上場株式の売買価格決定における純資産価額法の適用上法人税等相当額の控除(以下42%控除という。)を認める注目すべき判断を示しました。
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2005年11月16日発行
非上場株式の時価評価と評価時点
~早く引き渡さないと評価額が変わる?!~
非上場株式を法人間で売買する場合には、受贈益課税や寄付金課税を避けるために譲渡時の時価で取引を行うのが通常ですが、非上場株式はその名のとおり取引相場がありませんので、売買価格を決めるために時価を評価するという作業が必要になります。
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2005年8月 3日発行
事業体課税の基本的考え方が明らかに
~法人格基準から「所得」基準へ~
現行税制では株式会社等の事業体にはその利益に法人税を課し、課税後利益の配当につき構成員である個人株主には所得税課税を、法人株主には法人税課税を行っています(二段階課税といいます)。また、任意組合や匿名組合では、組合そのものは納税義務者にはなっておらず、構成員である組合員にのみ、分配された利益について法人税・所得税が課せられています。つまり、事業体である組合には課税がなされず、構成員にのみ課税がなされています(パス・スルー課税といいます)。
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2005年8月 3日発行
特別目的会社を利用した取引に関する監査上の留意点についてのQ&A(公開草案)が公表されました
日本公認会計士協会(監査・保証実務委員会)は平成17年7月4日に「特別目的会社を利用した取引に関する監査上の留意点についてのQ&A」(公開草案)を公表しています。特別目的会社(以下「SPC」という)に関係する会計基準等として「特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計処理に関する実務指針(以下「実務指針」という)」等が既に公表されていますが、最近その取引が急拡大しており、監査上の留意点を取りまとめたとしています(公開草案ですから最終的なものではありません)。従来の取り扱いを変更する内容はありませんが、オフバランス処理及びSPC非連結について今後より厳しく監査されることが予想されます。以下気になる点をピックアップしてみました。
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2005年8月 3日発行
同族個人間の不動産売買価額はどのように決めたら問題にならないか?
~相続税法第7条(資産の低額譲受け)「著しく低い価額」の判定で詳細な理由を列挙した裁決事例~
親から子へ、祖父母から孫へと不動産を移転する場合には、無償またはできるだけ低い価額で引き継がせたいと考える方が多いのではないでしょうか?
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2005年8月 3日発行
取引相場のない株式を少数株主から配当還元価額で購入したオーナーについて一時所得を認定した事例(裁決事例集第66集155頁;平15.11.20裁決より)
取引相場のない株式を売買するときにその価額をいくらにすればよいのか、これは会計・税務の実務家にとって判断に苦しむ問題の一つです。特に同族株主と同族株主以外の株主の間で売買される場合には売主の時価と買主の時価が異なることもあり一筋縄ではいきません。ただ現実的には、旧額面価額や配当還元価額程度で売買しても税務上トラブルになることは僅かであったといえます。しかし、このような同族間取引ではない場合において、その株式の純資産価額と実際の取引価額との差額を経済的利益として享受したものと認め、一時所得を認定した事例が国税不服審判所から公表されています。
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2005年5月31日発行
組合損失の損金算入制限の取扱いが明らかになりました
~ノンリコースローンの割合や損失補てん契約による補てんの程度等で判定~
平成17年度税制改正により、民法組合等を利用した組合事業損失の損益通算(損金算入)に制限措置が設けられることになりました(UAPレポート Vol.4;措法41の4の2、67の12)。法人については、「(1)組合事業につきその債務を弁済する責任の限度が実質的に組合財産の価額とされている場合」には、当該組合損失のうち出資額を超える部分の金額が、及び「(2)当該組合事業が実質的に欠損とならないと見込まれる場合」には、当該組合事業による損失の額の全額が損金不算入となったわけですが、どのような内容の組合契約が上記に該当する契約となるのか具体的に明らかにされました(措規22の18の2)。
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2005年5月31日発行
新会社法「相続人等に対する売渡しの請求」と事業承継税制
平成18年4月に施行が確実になっている新会社法において、事業承継に有用な仕組みとして、「相続人等に対する売渡しの請求」が注目されています。
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2005年5月31日発行
SPC(営業者)が所有する含み益不動産を対象に匿名組合出資を受け入れた場合の課税関係
典型的なYK‐TK方式による不動産流動化案件では、SPCにおけるプロジェクト必要資金額からデット調達額を差し引いた金額が自動的にエクイティ必要額(匿名組合出資金額)として算定されます。ところが営業者が従来から所有する含み益不動産を対象に匿名組合出資を受け入れる場合には、自動的にはエクイティ必要額が算定されません。特に親子会社間等の特殊関係者間では、いくらでも構わないとして過少出資になりがちです。そしてこの場合でも一般的な匿名組合契約と同様に不動産事業に係るすべての損益を分配すると契約しています。問題ないのでしょうか?
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2005年4月 1日発行
外形標準課税の適用で得をするのはどういう会社か
~いよいよ外形標準課税による事業税の申告・納付が始まります~
平成16年4月1日以後に開始される事業年度からは、期末資本金の額が1億円を超える大法人については、事業税において外形標準課税が適用されることとなりました。従来の事業税は、所得割のみによる課税がされておりましたので、資本の大小とは関係なく、所得が発生しなかった事業年度においては税負担が生じることはありませんでした。
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2005年4月 1日発行
合併等対価柔軟化によって少数株主のスクイーズアウト(追い出し)が可能に
平成17年3月22日に会社法案が国会に提出されました。三角合併の解禁に対する拒否反応から一時は国会提出も危ぶまれましたが、施行日について「合併等対価柔軟化」に関する部分のみを他の部分よりも1年遅らせることで提出に至りました。合併等対価柔軟化とは、吸収合併・吸収分割・株式交換を行うに際して、消滅会社等の株主に対して存続会社等の株式だけでなく、金銭その他の財産を交付することが可能になることをいいます。現在合併等対価柔軟化で最も注目されているのが外国親会社株式を交付する三角合併ですが、「少数株主のスクイーズアウト(追い出し)」が容易になることも注目点です。
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2005年4月 1日発行
小が大を飲むマジック~フジテレビのLBO~
ニッポン放送の経営権取得にめどをつけたライブドアが、次はフジサンケイグループの中核企業であるフジテレビ(以下フジといいます。)の掌握を狙うと報道されています。
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2005年2月22日発行
最高裁判決により取扱い変更!
~相続・贈与時の名義変更費用が譲渡所得の取得費に含められることになりました~
最高裁は平成17年2月1日に、父から贈与を受けたゴルフ会員権の譲渡所得算定にあたり、贈与時に支払った名義書換手数料を「資産の取得に要した金額(所法38条1項)」として収入金額から控除されるべきものと判示しました。これは贈与・相続により資産を取得した者の譲渡所得の計算において「その者が引き続きこれを所有していたものとみなす(所法60条1項)」とする規定を根拠に、受贈者・相続人が支出した名義変更費用の取得費への算入を認めてこなかった課税庁の従来からの取扱いを否定するものです。最高裁は所法60条1項の規定の本旨は増加益に対する課税の繰延べにあり、受贈者の付随費用を取得費に算入しないことまでも規定したものではないと結論づけています。
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2005年2月22日発行
日本版LLPにおける節税の可能性
先日、「有限責任事業組合契約に関する法律案(いわゆる日本版LLP法案)」が国会へ提出され、今までにない新しい組織形態が誕生しようとしています。
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2005年2月22日発行
DES(デット・エクイティ・スワップ)を行った際に債務免除益課税される可能性はあるか?
DES(現物出資型、以下同じ)を行った場合の債権者側の課税関係は平成15年2月28日に公表された法人税基本通達2-3-14(債権の現物出資により取得した株式の取得価額)により明らかとなっていますが、債務者側の課税関係を明示した法令・通達等はありません。「資本等取引なので債務免除益課税はない」というのが多数説のようですが、課税される可能性があるという意見もあります。私見をまとめてみたいと思います。
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2005年1月25日発行
定期借地権の賃料を前払いしたときの取扱いが明確化
~定期借地権が使いやすいものになるというのは本当でしょうか?~
国税庁は平成17年1月7日付で「定期借地権の賃料の一部又は全部を前払いとして一括して授受した場合における税務上の取扱いについて」を公表しました。国土交通省からの事前照会に対する文書回答です。これによると、定期借地権設定時に賃料の全部又は一部を一括前払いした場合において、契約書に前払賃料として取り扱われる旨が明確にされているときは、下記の通り取り扱うこととされています。
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2005年1月25日発行
特定口座で貸株ができるようになります
自由民主党「平成17年度税制改正大綱」より抜粋
特定口座内保管上場株式等を特定口座の開設をしている証券業者に貸し付けた場合において、当該貸付期間後に返還される当該特定口座内保管上場株式等と同一銘柄の上場株式等を、一定の要件の下で、当該特定口座に、当該貸付けをした際に当該特定口座において管理されていた取得価額で受け入れることができることとする。
(注)上記の改正は、平成17年4月1日以後に貸し付ける特定口座内保管上場株式等について適用する。
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2005年1月25日発行
日本版LLPや合同会社は流動化SPVとして活用できるか
経済産業省が平成17年2月を目処に通常国会に提出する予定のLLP法案(仮称)により日本版LLP(有限責任事業組合)という新たなパススルー・ヴィークルが誕生します。また平成18年4月1日からの施行が見込まれている新会社法により合同会社(日本版LLC)という新たなヴィークルが誕生します。これらは米国におけるLLPやLLCのように流動化SPVとして活用される可能性はあるのでしょうか?
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