2004年のUAPレポート

  • 平成17年度税制改正大綱概要

    12月15日、自民・公明の与党2党は平成17年度税制改正大綱を発表いたしました。景気回復・雇用情勢の改善・個人消費の増加が着実に進んでいるとの見方から、「あるべき税制」の具体化に向けて個人所得課税の抜本的見直しに主力を置いた内容となっています。

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  • 金融・証券税制改正の詳細

    1.タンス株の特定口座への預入制度の見直し
    自宅や銀行の貸金庫にある株券(いわゆる「タンス株」)を特定口座へ預入れた場合のその株式の取得価額は、実際の取得価額、名義書き換えの時の株価、平成13年10月1日の終値の80%(みなし取得価額)のいずれかを選択することができました(措令附則(平成14年)14条の3、(平成16年)10条)。現行法ではタンス株券の特定口座への預入れができるのは平成16年12月31日までとされておりますが、今回の改正により平成17年4月1日から再開されることとなりました。ただし、その場合の取得価額については、みなし取得価額の規定の適用はなく、実際の取得価額によることになります。

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  • 民法組合等を利用した組合事業損失の損益通算(損金算入)の制限

    自由民主党「平成17年度税制改正大綱」より抜粋

    <法人組合員に係る規定>
    民法組合、匿名組合等の法人会員(組合に係る重要な業務の執行の決定に関与し、契約を締結するための交渉等自らその執行を行う法人組合員等を除く)の組合損失について、次のように取り扱う。

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  • 非居住者・外国法人に係る不動産化体株式の譲渡益課税

    自由民主党「平成17年度税制改正大綱」より

    非居住者・外国法人が、国内にある不動産(土地等、建物その他一定の資産)を主たる資産(総資産の50%以上)とする法人の発行する株式等(一定の株式等を除く)又は国内にある不動産を主たる信託財産(信託財産の価額の総額の50%以上)とする特定信託の受益権(一定の受益権を除く)の譲渡によって得る所得を、申告納税の対象となる国内源泉所得の範囲に加える。

    (注)上記の改正は、非居住者は平成18年分以後の所得税について、外国法人は平成17年4月1日以後に開始する事業年度の法人税について適用する。

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  • 日本版LLP(有限責任事業組合)制度の創設の提案の公表

    平成16年12月17日、経済産業政策局長の私的研究会である、「有限責任事業組合制度に関する研究会(日本版LLP研究会)」は、研究会におけるこれまでの検討結果を踏まえ、有限責任事業組合(日本版LLP)制度の骨格についての中間的なとりまとめを行い、「有限責任事業組合制度の創設の提案」を公表しました。経済産業省は、この制度の創設について、次期通常国会に法案を提出する予定です。

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  • 西武鉄道上場廃止と非上場株式の評価~流動性ディスカウントと財産評価基本通達

    先日東京証券取引所は、西武鉄道株を12月17日に上場廃止にすると発表しました。同社が40年間以上も大株主の持ち株比率を有価証券報告書に過少に記載して、親会社がコクドであることを明らかにしていなかった理由からです。

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  • 新会社法では合名会社・合資会社の株式会社への組織変更が可能になります

    平成18年4月1日に施行が見込まれている新会社法では、現行の商法で認められていない合名会社・合資会社の株式会社への組織変更が認められることになる見通しです。

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  • 任意組合方式による航空機リースに係る損益通算で納税者側勝訴(名古屋地裁)

    ~争点に対する裁判所の判断を分析しました~

    名古屋地裁は民法上の組合契約(以下「任意組合」という)方式による航空機リースに係る損益通算で納税者勝訴の判決を行いました(平成16年10月28日言渡)。この投資は、個人投資家が投資期間の前半に減価償却費から成る損失の分配を受けることで、損益通算による所得税節税を図ると共に、譲渡時には長期譲渡所得の低税率によることでトータルの納税額圧縮を図るものです。但し、航空機譲渡時の価格下落リスクや為替リスクを伴う投資であることから単純な節税商品でもなく、裁判所の判断が注目されていました(国税不服審判所では損益通算を否認)。

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  • 外形標準課税の対象外とするための無償減資

    ~資本金1億円超の会社は利益がなくても外形標準課税により事業税が課されることとなります~

    法人の平成16年4月1日以降開始の事業年度から外形標準課税の適用開始となりました。外形標準課税の適用対象となるのは期末資本金額が1億円超の法人ですから、一番早ければ来年の3月末日の資本金額が1億円を超える法人は、その事業年度において利益がなくても外形標準課税により事業税が課されることとなります。

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  • 確認しておきたい留保金課税の不適用要件

    ~不適用申告を失念した場合には、更正の請求をしても還付を受けることができませんのでご注意を~

    課税所得の発生している企業にとって、同族会社の留保金課税は本当に頭の痛い問題です。しかし、平成12年度以降の税制改正によって、多くの中小企業でこの課税負担を負わなくてすむようになっていることはご存知でしょうか。例えば、設立10年未満の「新事業創出促進法の中小企業者」であれば留保金課税不適用の対象となります(租法68の2)。中小企業者の定義は、下表の業種区分に応じて資本の額による基準又は従業員数による基準のいずれかを満たすこととされていますので、ほとんどの中小企業が該当します。「新事業創出促進法の中小企業者」とは、新事業を創出すると認定された特殊な企業のことではなく、普通の中小企業のことをいいます。

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  • 会社法改正は流動化SPVにどのような影響を与えるか

    ~会社法改正で有限会社が設立できなくなります~

    不動産や債権の流動化にあたり、オリジネーターと呼ばれる原所有者から資産を購入して保有するSPV(Special Purpose Vehicle:特別目的器)として最もよく利用されているのが有限会社です。これは株式会社と比較して下記のメリット持つからと言われています。

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  • 土地建物等の契約日基準による平成15年中の譲渡申告が今からでも認められます!

    ~平成16年8月4日付で国税庁課税部が事務連絡を発遣~

    平成16年度の税制改正で、居住用以外の土地建物等の譲渡損益と他の所得の損益通算が認められなくなり、また、譲渡損失の翌年以後3年間の繰越が認められなくなりました。長期譲渡所得の100万円特別控除も廃止されています。この改正税法は平成16年4月1日に国会で可決・成立したにもかかわらず、平成16年1月1日にさかのぼって適用されたために、「不利益不遡及」の原則から問題があると批判され、課税当局側の期限後対応が注目されていました。

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  • リース事業への匿名組合出資は株価対策に有効か?

    ~匿名組合出資の相続税評価に明確な規定は無いのですが・・・~

    会社オーナーの方々の事業承継には、後継者への自社株移転をスムーズに行うための対策が必要です。自社株対策の大きな論点として、株価(自社株評価)の引き下げがあります。

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  • 外国企業によるM&A(三角合併)の規制緩和が国内組織再編に与える影響

    新聞報道によると、外国企業が日本企業を傘下に収める際、外国企業との直接的な国際株式交換を行うことを認めず、そのかわり、対価として日本子会社を通じた外国株の譲渡を認める方針を固めました(日本経済新聞2004年10月7日)。

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  • やるぞ電子申告!!

    ~途中で断念しました…かなり面倒です~

    平成16年6月1日からいよいよ東京国税局でも電子申告がスタートしました。世はまさに電子申告!というわけで、お客様にお勧めする前に自社で実践すべく電子申告にチャレンジしました。

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  • HP上の電子公告で個別催告が不要に!迅速な合併や分割を可能にする商法改正

    合併や減資を行うときに、「もっとも面倒な手続はなんですか?」とよく聞かれます。ほとんどの実務の専門家は、それに問いに対して、「債権者保護手続の個別催告です。」と答えます。

    この面倒な個別催告が原則として不必要になる商法改正が先般行われ、平成17年2月1日(施行見込み)以降、HP上の電子公告、または、日刊新聞紙による公告を行えば、個別催告をしなくてもよくなります。

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  • 不動産譲渡に係る繰越損失に要注意

    ~平成15年度の不動産譲渡繰越損失を平成16年度の不動産譲渡益から控除することはできません!~

    平成16年度の税制改正で平成16年1月1日以後の居住用以外の土地建物の譲渡により発生した譲渡損失は、他の所得との損益通算ができなくなり、かつ翌年以後3年間の繰越も認められなくなりました。

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  • 航空機リース投資による株価引き下げ&生前贈与で否認事例が出ました!

    平成16年9月12日付朝日新聞(東海版)によると名古屋国税局は、匿名組合契約を利用した航空機リース事業への投資に係る損失を活用した法人課税所得繰り延べと株価引き下げに伴う自社株贈与を「法人所得を減らして株式の評価額を下げ、贈与税の圧縮を狙った租税回避にあたる」と認定して追徴課税したとのことです。

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  • 繰越欠損金のある会社を買ってきて節税に活用することは可能か?

    平成13年4月に組織再編税制が導入されるまで、合併時に消滅会社のもつ繰越欠損金を存続会社に引き継ぐことはできませんでした。逆に存続会社のもつ繰越欠損金は合併によって利用制限を受けることはありませんでした。そこで繰越欠損金を持つ休眠会社を存続会社として、黒字会社を消滅させるいわゆる「逆さ合併」が行われてきました。いくつかの判例・裁決で、「合併法人の経営実体が消滅し、被合併法人の経営実体のみが存続している」ことを理由に「逆さ合併」が否認されていますが、逆に合併法人の経営実体がある程度存続していれば問題ないとも判断され、実務上は多くの微妙な「逆さ合併」が行われてきました。

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