2024年のUAPレポート
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2024年12月23日発行
事業承継税制が贈与直前の役員就任でも適用可能となりました
2024年12月20日、与党税制改正大綱が公表され、法人版事業承継税制が見直され、役員就任要件が緩和されることになりました。すなわち、改正前の「贈与の日まで引き続き3年以上」の役員就任期間が、「贈与の直前において役員であること」と改正されます。
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2024年11月15日発行
「比準要素数1の会社」外しスキームを総則6項で否認する裁決事例
いわゆる「比準要素数1の会社※1」に該当して約34億円と評価されるべき自社株式を、相続開始の直前に事業年度を変更して配当金を支払い、評価額を約21億円に軽減させた株価対策について、金沢国税不服審判所は令和6年3月25日に、租税負担の軽減を意図したものであるため総則6項※2により約40億円で否認されるべきとの判断を示しました。
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2024年10月17日発行
租税負担を軽減する行為がないと総則6項で否認することはできない
2024年8月28日、東京高裁は、第1審の東京地裁の更正処分取消判決を不服とする税務署の主張を退け、控訴棄却の判決を下しました(国側敗訴で確定)。
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2024年8月27日発行
負担付遺贈と負担付特定財産承継遺言では譲渡所得の課税関係は異なるのか?
負担付遺贈とは、受遺者に一定の法律上の義務を負担させる遺贈をいいます。相続税の課税上、負担付遺贈により取得した財産の価額は、負担がないものとした場合における財産の価額から負担額を控除した価額によるものとされ、一方、その負担額が第三者の利益に帰すときは、その第三者が負担額に相当する金額を遺贈により取得したこととなります(相基通9-11、11の2-7)。
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2024年7月16日発行
評価通達の「趣旨」から「逸脱」した財産評価は否認されるのか?
このレポートでは、「非上場株式の相続税評価で総則6項の適用が認められなかった地裁判決」で主張された課税庁の否認理由について検討します。
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2024年6月12日発行
種類株式の譲渡価額は株価算定書の評価額で良いとする事前照会事例
種類株式の税務上の評価については、特定の3類型に係る相続税評価方法が文書回答事例として公表されているだけで、法人税や所得税において、明確な評価の定めはありません。このような状況において、日本公認会計士協会が国税庁に照会し、2024年3月28日に文書回答という形で、企業価値評価専門会社の株価算定書による評価額を法人税法における時価として取り扱って良い旨を明確にしました※1。
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2024年5月 1日発行
「総則6項による否認」は今後の裁判では争われなくなるのか?
相続や贈与によって取得した財産の価額は、原則としてその取得のときの「時価」とされており(相法22)、その「時価」とは、財産評価基本通達(以下、「評価通達」といいます。)の定めにより評価した価額によることとされています(評価通達1(2))。他方、評価通達総則6項は、「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。」と定めています。
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2024年3月 8日発行
非上場株式の相続税評価で総則6項の適用が認められなかった地裁判決
相続直後に相続税評価額(175百万円)の約13倍(2,248百万円)で非上場株式を第三者に売却したため、税務署から財産評価基本通達による評価は適当ではないとして、総則6項※1により鑑定評価額(1,720百万円)で否認された事案について、東京地方裁判所は令和6年1月18日付判決で、租税負担の公平に反する特段の事情が存在しないため、評価通達に定める方法によって評価すべきとの判断を示しました。
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