2012年1月11日

下がる法人税と上がる所得税~中小法人の平成24年度以降の実効税率~

 所得税、相続税、消費税全てが増税傾向ですが、法人税だけは平成24年度から下がります。現在の中小法人の実効税率は下記の通り40.86%ですが、平成24年度から3年間は38.37%となり、それ以降は36.04%となります(いずれも年所得800万円超部分)。しかも中小法人の年所得800万円以下の部分は大幅に軽減されていて、2割ちょっととなります。

 これに対して平成25年分以降の個人の最高税率は50.84% ※1ですから、法人の最高実効税率との差額は平成27年からは約15%となり、これは更に拡大する見込みです。富裕層にとっては法人の有効活用が必須の時代となります。

<中小法人の税率>
( )されていないのは現在の税率。①は平成24年4月1日以後開始事業年度から3年間の税率。②は平成27年4月1日以後開始事業年度の税率。

所得金額 表面税率 合計実効税率
法人税 法人都民税 事業税
400万円以下 18%
(①16.5%)
(②15%)

3.11%
(①②2.59%)

4.88%
24.78%
(①22.85%)
(②21.42%)
400万円超
800万円以下

7.24%
26.43%
(①24.55%)
(②23.15%)
800万円超 30%
(①28.05%)
(②25.5%)
5.19%
(①②4.41%)

9.59%
40.86%
(①38.37%)
(②36.04%)

(注1)法人税は資本金1億円以下の中小法人の税率。
(注2)法人都民税は、23区内に事務所がある、資本金が1億円以下でかつ法人税額
    が年1,000万円以下の法人の税率。
(注3)事業税は、資本金が1億円以下でかつ年所得が2,500万円以下の法人(軽減 
    税率不適用法人を除く)の税率で、平成24年度以後も変更されない。
(注4)事業年度は1年で決算期変更はないことを前提とする。

2012年1月11日 (担当:平野和俊)

1

※1 所得税40%、復興特別所得税0.84%(平成25年度から25年間課税される)、住民税10%の合計額

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