2011年1月 7日

100%子会社の有利な清算方法※1

 平成22年度税制改正により適格現物分配の規定が創設されました※2 。残余財産の分配を適格現物分配によって行うこともできるため、100%子会社の清算方法に、従前からの「①適格合併」、「②資産を全て換価して金銭分配」に、「③適格現物分配」が新たな選択肢として加わったことになります。この3つの清算方法を比較した表が以下です。



 子会社で譲渡損益を認識したい場合 は②を、そうでない場合は①か③を選択します。

 ①か③かの選択では、「子会社の権利・義務の承継」がポイントになります。「子会社の権利・義務の承継」は、①を選択した場合には親会社が全部を承継し、③を選択した場合には承継しません。

 子会社の資産に多額の含み益があるため②は選択したくないものの、子会社の過去の契約等を十分に把握できておらず権利・義務を包括的に承継するのはリスクがある場合、③の適格現物分配により、含み益資産の課税を繰延べつつ、子会社の権利・義務は承継しないという選択が可能となりました。

 なお、上記以外にも考慮すべき要素は多数あるため、実行にあたっては、専門家のアドバイスを受けた上で十分に検討を重ねる必要がある点、ご注意ください。


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※1 100%子会社と100%ではない子会社の清算方法の比較については、2010年4月1日付UAPレポート「子会社の有利な清算方法~平成22年10月からグループ法人税制の適用を受けるべきか否か~」をご参照ください。

※2 適格現物分配の詳細については、2010年9月3日付UAPレポート「税制改正により創設された適格現物分配の活用と注意点」をご参照ください。

※3 引継制限については考慮しません。

※4 子会社での債務免除益課税を避けるために、含み損資産の譲渡損を子会社において実現させたい場合等が考えられます。

2011年1月7日 (担当:吉岡 純男)

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