2009年3月30日

外国子会社配当益金不算入制度の創設
~平成21年度税制改正の要綱より~

 今月は、平成21年1月23日に閣議決定された平成21年度税制改正の要綱における国際課税のうちから、外国子会社配当益金不算入制度の創設についてお送りします。

 この制度は、国際的二重課税排除の見地から、内国法人が外国子会社から受ける配当等の額のうち95%部分を益金不算入とするものです(以下、「本改正」といいます)。なお、残りの5%部分は配当等の額に係る費用に相当するものとして益金不算入額からは控除され、結果的に課税されることとなります。また、この配当等の額に係る外国源泉税等の額は損金不算入(かつ外国税額控除の対象外)とされます。これは、外国源泉税等の額相当額がすでに上記益金不算入額に含まれているためです。

 本改正に伴い、既存の規定について所要の措置が講じられます。その措置のうち主要なものは次の2点です。(1)外国税額控除制度のうち間接外国税額控除が廃止されます。これは、内国法人が外国子会社から受ける配当等の額について、国際的二重課税排除のために設けられていた従来の規定です(法法69⑧⑨)が、本改正の創設により廃止されることとなります。(2)いわゆるタックスヘイブン対策税制で合算対象とされる適用対象金額からは、特定外国子会社等から受ける配当等の額は控除されません。これは特定外国子会社等から受ける配当等の額であっても、本改正による益金不算入の対象となるためです。タックスヘイブン対策税制とは税率の低い外国の特定外国子会社等に所得を留保させて高い税率の日本の課税を避けるという租税回避を防止するものですが、改正前は、親会社では特定外国子会社等からの配当等(例えば100)を益金に算入した上で特定外国子会社等の配当後の留保所得(例えば300)を合算(400)して課税がなされていたところ、本改正により、特定外国子会社等が配当等を行う前の所得(100+300=400)の金額により合算課税が行われます。ただし、特定外国子会社等の配当等は親会社で益金不算入とされるため、結局改正前と同様、特定外国子会社等が配当等を行う前の所得(400)について日本の税率で課税されることになります。

 本改正は、平成21年4月1日以降に開始する事業年度において受ける配当等の額、その配当等の額に係る外国源泉税等の額、及び適用対象金額について適用することとされています。

内国法人が外国子会社から受ける配当等の額についての従来の間接外国税額控除という制度は、法令の規定が非常に複雑であり、かつ膨大な事務手続きが必要でした。それが、本改正により制度が簡素化され、事務負担が大幅に軽減されることとなります。
 また、外国子会社の利益を国内に戻す場合、従来の間接外国税額控除では日本の実効税率に引きなおして課税されていました。それが、本改正により諸外国における税率で課税関係が終了することとなります。

 海外進出をご検討されてきた経営者の方、すでに海外進出されていらっしゃる経営者の方、いずれの方にとっても本改正は朗報となりそうです。

2009年3月30日(担当 川村 崇)

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