2026年3月16日

令和8年度税制改正~極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置の見直し~

 いわゆる「1億円の壁」問題をきっかけにして令和5年度税制改正により導入された「極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置」が令和8年度税制改正により見直されます。

【現行制度】
① 通常の所得税額※1
② (合計所得金額※2-特別控除額(3.3億円))×22.5%
③ ①が②を上回る場合に限り、差額分を申告納税
  
【令和9年分の所得から】
① 通常の所得税額
② (合計所得金額-特別控除額(1.65億円))×30%
③ ①が②を上回る場合に限り、差額分を申告納税

 現行制度では約10億円という「極めて高い」分離課税所得(株式譲渡所得、土地建物の長期譲渡所得など税率が一律15%の所得)から上記差額が発生する可能性がありますが、令和9年分からは約3.3億円という「そこそこ高い」分離課税所得でも上記差額が発生する可能性があります。そしてこの分離課税所得には、申告不要を選択した上場株式等の配当所得や譲渡所得の金額も含まれますから要注意です。

 今まで枕詞のように、株式譲渡や土地譲渡は約20%※3の分離課税と言われてきましたが、富裕層にとっては常識でなくなりつつあります。令和9年からは、一律15%分離課税所得が約3.3億円を超えると、15%を上限として上乗せ所得税が発生する可能性があるということです※4

2026年3月16日 (担当:平野和俊)

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※1 法律では基準所得税額と定義され、復興特別所得税を加算して計算します(措法41の19③、復興財確法33①)。
※2 法律では基準所得金額と定義されています(措法41の19②)。
※3 正確には所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%の合計20.315%。
※4 住民税には影響はありません。

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