2018年2月14日

外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)のQ&Aが公表されて
ペーパーカンパニーの定義が明確に

 国税庁は平成30年1月に「平成29年度改正 外国子会社合算税制に関するQ&A」を公表しました。

 外国子会社合算税制の平成29年度改正においては、従来合算課税の対象とされなかった租税負担割合20%以上30%未満の外国関係会社についても、ペーパーカンパニーに該当する場合には合算課税されることとなりました。ペーパーカンパニーとは、「主たる事業を行うために必要な事務所等の固定施設を有さず、かつ、本店所在地国において事業の管理・支配・運営を自ら行っていない会社」と法律で定められましたが、特に実体基準と呼ばれる「主たる事業を行うために必要な事務所等の固定施設」がどの程度のものであれば認められるのかがはっきりしませんでした。

 この点について今回公表されたQ&Aでは、下記のように説明されています。

1.事務所等の固定施設とは、単なる物的設備ではなく、そこで人が活動することを前提とした概念である。

2.事務所等が主たる事業に使用されていない場合や、主たる事業を行うために必要と認められない場合は、実体基準を満たさな い。

3.主たる事業が人の活動を要しない事業である場合には、そもそも実体基準を満たさない。

4.例えば、ビルの一室を使用していても、主たる事業が工業所有権の使用料を得ることのみであり、その事業活動に一室を使用する必要もないと認められる場合には、実体基準を満たさない。

 以上もっともな解説であり、いわゆるペーパーカンパニーが、形式的に事務所を借りても、実体基準を満たすことは難しそうです。なお、この改正は外国関係会社の平成30年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。

2018年2月14日(担当:平野和俊)

 

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