2004年12月21日

非居住者・外国法人に係る不動産化体株式の譲渡益課税

自由民主党「平成17年度税制改正大綱」より

非居住者・外国法人が、国内にある不動産(土地等、建物その他一定の資産)を主たる資産(総資産の50%以上)とする法人の発行する株式等(一定の株式等を除く)又は国内にある不動産を主たる信託財産(信託財産の価額の総額の50%以上)とする特定信託の受益権(一定の受益権を除く)の譲渡によって得る所得を、申告納税の対象となる国内源泉所得の範囲に加える。

(注)上記の改正は、非居住者は平成18年分以後の所得税について、外国法人は平成17年4月1日以後に開始する事業年度の法人税について適用する。

非居住者・外国法人(日本にPEを有しないことを前提にします。以下同じ。)が、日本国内にある不動産に投資して譲渡益が発生した場合には、原則として譲受対価の10%が源泉徴収されたうえで総合課税の対象となります。但し不動産を保有する日本法人の株式譲渡益は、実態が不動産の譲渡益でもいわゆる事業譲渡類似株式に該当しない限り、日本で課税されることはありませんでした。

今回の改正により、日本国内にある不動産を主たる資産とする法人の株式の譲渡所得は日本国内源泉所得として課税されることになります。この改正は新日米租税条約に合わせて導入されたもので日米間の課税関係はこれにより統一されます。但しOECDモデルを初めとする他の租税条約では、依然として株式の譲渡収入に対する課税は居住地課税とされているものがほとんどです。今後の各租税条約の改正時に国内法に合わせていくことになると予想されます。

2004年12月21日(担当:平野和俊)

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