2018年10月26日

連結納税を採用した中小企業の接待飲食費

 連結納税制度のデメリットである欠損金の持ち込み制限等が税制改正により緩和されてきていることもあり、中小企業で構成する会社グループでの連結納税採用も増えてきています。

 資本金が1億円以下である中小法人が連結納税を採用する場合、単体申告では年間800万円まで認められる交際費の損金算入枠がグループ全体で800万円に制限されてしまうことがデメリットの一つと言われます。このような場合に、連結によってグループ各社の数字を積み上げる特質を活かして「接待飲食費の50%の損金算入」の適用を受けるとどうなるかも改めて確認してみてはどうでしょうか。平成26年度税制改正により設けられた「接待飲食費の50%の損金算入」は、交際費の全額について損金算入が認められていない大法人ではその適用を受けることが一般的ですが、800万円の定額控除限度額との選択適用である中小法人では接待飲食費だけで年間1600万円以上の出費がないとメリットがないことから適用を受けていないということが大半かと思います。「接待飲食費の50%の損金算入」は連結納税においても適用可能で、個別の法人ではそれほどの金額ではなくても、グループ各社の接待飲食費を積み上げると定額控除限度額との有利不利の分岐点である1600万円を超えることもあるかもしれません。超える可能性がある場合は、グループ各社に期中から接待飲食費を分別管理するように指導しておくことで決算時に慌てて集計するということを避けられます。

2018年10月26日 (担当:吉田暁弘)

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