2018年5月 2日

一般社団法人等の理事死亡時の相続税課税について
同族理事の定義が明確に

 一般社団法人等を活用した相続税対策を規制するために、平成30年度税制改正において、同族理事が理事の過半を占める一般社団法人等について、相続税が課税されることとなったのは既報のUAPレポートの通りです。この場合における同族理事の定義が税制改正大綱や相続税法でははっきりしませんでしたが、平成30年3月31日に改正後の相続税法施行令が公表され、その詳細が明らかになりました。

 新相続税法施行令によると、同族理事とは被相続人と下記の関係がある者等が該当します(新相令34③)。

 1.被相続人の配偶者

 2.被相続人の三親等内の親族

 3.被相続人が役員となっている法人の役員及び従業員

 4.被相続人、配偶者及び三親等内の親族によって50%超支配されている法人の役員及び従業員

 注目点は、配偶者や親族だけでなく、被相続人が関係する会社の役員や従業員まで対象になるということです。相続税対策ということではなく、その非営利性に着目して一般社団法人等をビジネスで利用する場合も多かろうと思いますが、形式的にこの規制の対象となり得ます。例えば、会社役員だけを理事として一般社団法人を設立した場合には、全員が同族理事に該当するため、誰が亡くなっても相続税が課税されることとなります。今後設立する一般社団法人等のみならず、過去に設立した一般社団法人等の理事構成についても見直しが必須です。

2018年5月2日 (担当:平野和俊)

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