2010年4月 1日

子会社の有利な清算方法
~平成22年10月からグループ法人税制の適用を受けるべきか否か~

 平成22年10月からグループ法人税制が施行されます。子会社を解散したい親会社はどのような方法によるべきでしょうか。下記では3パターン(①子会社の適格合併、②100%子会社の清算、③100%ではない子会社の清算)について、改正法人税法から読み取れる欠損金引継ぎ及び株式消却損計上の課税関係を比較してみます※1 。なお、いずれの場合も欠損金の引継制限は考慮しません。

① 子会社の適格合併
 子会社を被合併法人として適格合併が行われた場合には、子会社の青色欠損金は引き継げますが、期限切れ欠損金は引き継げません(法法57②)。また、子会社株式の消却損は計上されません(法法61の2②)。

② 100%子会社の清算
 100%子会社を清算した場合には、グループ法人税制により、子会社の青色欠損金を引き継げるようになります(法法57②)。期限切れ欠損金は、債務超過状態にある子会社において清算事業年度の所得金額を限度として損金算入が認められますが(法法59③)、親会社に引き継がれることはありません。また、子会社株式の消却損は計上されません(法法61の2⑯)。

③ 100%ではない子会社の清算
 100%ではない子会社を清算した場合には、欠損金の引継ぎはできませんが、子会社株式の消却損が計上されます。

 以上より、欠損金引継ぎ及び株式消却損計上という論点では、①と②は同じですから、これらと③の効果を比較することになると考えられます。

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※1 今後公表される政省令によって異なる課税関係となる可能性があります。

2010年4月1日 (担当:平野 和俊)

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