2010年1月28日

不動産流動化のイグジット(出口)にご注意を!
~平成22年度税制改正 消費税の仕入れ税額控除適正化措置~

 2009年11月25日UAPレポートでお伝えしました消費税還付スキーム封じの改正内容が、平成21年12月22日に政府から発表された税制改正大綱で明らかになりました。本稿では、この改正の内容と不動産流動化への影響をご紹介します。

 大綱では、2009年11月25日UAPレポートの予想のとおり、(1)課税事業者選択を行い2年間課税事業者となる事業者、または(2)資本金1,000万円以上で設立され設立後2年間課税事業者とされる法人が、その期間中に棚卸資産以外の資産で100万円以上の固定資産(以下「調整対象固定資産」といいます。)を取得した場合には、それ以後3年間は事業者免税点制度及び簡易課税制度を適用しない、としています。また、適用時期は、(1)平成22年4月1日以降に課税事業者選択を行った事業者の同日以後開始する課税期間、または(2)同日以後設立される法人、としています。

 この大綱の趣旨は、自販機モデル※1 で消費税の還付を受けた場合、3年間原則課税を強制することで、調整対象固定資産の取得後3年目に、これまで適用を受けなかった「課税売上割合が著しく変動した場合の調整対象固定資産に関する仕入れに係る消費税額の調整(消費税法第33条)」規定の適用を受けさせ、還付消費税の取り戻しを行うことにあります。不動産流動化は自販機モデルとは異なりますが、この大綱によれば2009年11月25日UAPレポートのとおり、第3期までの免税または簡易課税でのイグジット(出口)が不可能となります。

 この点、私見ではありますが、現段階では次の方法により対処することは可能だと考えます。いわゆるGK-TKスキームを前提とするSPCの資本金は通常1,000万円未満であるため、上記(1)の「課税事業者選択を行い2年間課税事業者となる事業者」に係る規制への対応に絞りますが、①平成22年3月31日までに課税事業者選択届出書を提出したSPCを活用する、② ①の届出が間に合わない場合には課税事業者となってから2年経過しているSPCを活用する、といった方法です。

 上記対策は、現段階の大綱ベースのものであり、今後明らかになる法令を確認する必要がありますが、いずれにせよ、この大綱であきらかになった規制は自販機モデルの防止のためではあるものの、不動産流動化においては第3期までのイグジット(出口)に大きな影響が出る規制ですので、今後事前のタックスプランニングが重要になることにご注意下さい。

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※1 居住用物件の開発型スキームで見られる手法。2009年11月25日UAPレポートの「X年~X+2年」の枠囲みをご参照下さい。

2010年1月28日 (担当 川村 崇)

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