2005年5月31日

組合損失の損金算入制限の取扱いが明らかになりました

~ノンリコースローンの割合や損失補てん契約による補てんの程度等で判定~

平成17年度税制改正により、民法組合等を利用した組合事業損失の損益通算(損金算入)に制限措置が設けられることになりました(UAPレポート Vol.4;措法41の4の2、67の12)。法人については、「(1)組合事業につきその債務を弁済する責任の限度が実質的に組合財産の価額とされている場合」には、当該組合損失のうち出資額を超える部分の金額が、及び「(2)当該組合事業が実質的に欠損とならないと見込まれる場合」には、当該組合事業による損失の額の全額が損金不算入となったわけですが、どのような内容の組合契約が上記に該当する契約となるのか具体的に明らかにされました(措規22の18の2)。

その中で(1)に該当する場合として「組合債務の額のうちに占める責任限定特約債務の額の割合が概ね80%以上である場合」が挙げられています。つまり、左下の図のような組合契約である場合には、(1)に該当する契約として損金算入制限の規定の対象になります。また、(2)に該当する場合として、「損失補てん等契約が履行される場合に、その履行後の累積損失額が出資金合計額の概ね120%以下となると見込まれる場合」が挙げられています。これは、右下の図のように、出資額を超えて損失が発生した場合においても、その発生した損失の累積額のうち出資額の概ね120%以上の部分について損失補てん契約により出資者がその負担をせずに済む場合等をいいます。

ただし、上記に該当する組合の法人組合員であっても当該組合事業に係る一定の業務執行組合員については、これらの損金算入制限の規定の適用はありません。

また、個人組合員につきましては、たとえ上記(1)又は(2)に該当しない組合契約であっても、当該組合事業から生じた不動産所得に係る損失は、所得計算上一切考慮されないこととなりますので注意が必要です(一定の業務執行組合員を除く)。

2005年5月31日(担当:石渡正樹)

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